花粉症対策住宅とは?

性能の高い高気密住宅においては、給気口からの花粉の侵入を防ぐことで、究極の花粉症対策が可能です。

「第一種換気」と「第三種換気」

一般的な住宅の換気システムでは、「第一種」および「第三種」に大別されます。標準仕様はアルデ社の第三種換気になります。メンテナンスが楽で耐久性も高く、当社でも長くお使いいただくには第一に推奨するシステムです。一方、第一種換気システムのメリットは、熱交換タイプによる省エネ性、給気、排気とも機械のため、比較的気密性能の弱い建物でも使えることなどがあります。反面、それぞれ1箇所で行われる給排気口には、フィルターが使われるため、そのメンテナンスが重要になります。また、熱交換によるダクトや交換機における結露、カビの発生などの懸念も否定できません。またコスト面でも一般には、イニシャルコスト、ランニングコストとも第三種優位といえます。

しかし、花粉対策に限れば、第三種は、自然給気口が5~8箇所(35~40坪程度の住宅)に対し、第一種は機械給気口1箇所であるため、1箇所の対策(フィルターを設ける)だけで済ませることができます。

株式会社吉田組は、第一種、第三種どちらもご提供しています。

第一種換気をご希望のお客様を、2008年2月、築4年になるS様邸にご案内する機会がありました。室内での第一印象は、新築時と変わらないほど「綺麗」ということでした。壁や床など内装の綺麗さはもちろんのことですが、印象強かったのは体感的に感ずる空気の綺麗さでした。こちらのお宅の換気は、第一種換気(顕熱交換)で、外からの給気口は1箇所、この給気口のフィルターで、外部からのチリ・埃などは、シャットアウトでき、室内の埃もほとんど溜まらないそうです。当然、花粉などの侵入もほとんどないものと考えられます。もちろん、建物の気密性能の高さあってのことであることは、言を俟たないところです。従来からメンテナンスの容易なことで第三種を推奨、標準仕様にしていますが、築4年のS様邸で感じる空気の状態の良さは、第一種のほうが優るのではないかと思えます。室内外の圧力差も小さく、空気の質も4年という期間では劣化はみられません。幹線道路の近くなど、外気の汚れが気になる場合や、花粉症などアレルギー症状の緩和には、最も有効な換気システムといえます。

高気密と花粉症

高気密と花粉症性能の高い高気密住宅では、外気の給気は、換気システムにおける給気口からのものがほとんどと考えられます。この給気口から花粉の侵入を止めることができれば、花粉症にお悩みの方々には、少なくともご自宅での症状軽減には、大きな効果があります。給気口にもオプションで花粉対策用フィルターの装着が可能です。また、外気給気箇所の少ない第一種換気システムでは、花粉対策面だけを考えれば、極めて有効なシステムといえます。現在お住まいのお客様からも「花粉症が軽くなった」「自宅では花粉症は感じない」といった声が寄せられています。

写真左は、給気口からの風量測定状況。写真右は、排気口の風量測定状況です。当社では、施工物件すべてで測定し、高い換気効率を実証すると共に、点検時等に経年的に測定することで、気密性能の劣化を検証しています。とりわけ給気口からの自然給気を測定することは、極めて簡便有効な気密性能チェックといえます。

ホルムアルデヒドの測定

ホルムアルデヒドの測定化学物質(VOC)や花粉などミクロン単位の微粒子は、空気中で1分間に1cm程度の落下速度にすぎず、少しでも乱れた気流があれば、落下することなく空気中を舞い漂っています。このような微粒子を排出、取り除くには乱れのない中で静かで整一な流れをつくる必要があります。
住宅の中でこのような状態をつくるには、高い気密性能の室内で計画的に換気経路を設定し、シロッコファンによる整一で静かな換気状態をつくることが肝要です。隙間風のあるような乱れた空気の中では、有害な微粒子は沈降することなく漂い続け、外部からもどんどん侵入して来ることになります。
当社では、新築時、全施工物件でホルムアルデヒドを測定しています。測定結果は、すべて厚生労働省の基準値(0.07ppm)に比べて極めて低い水準にあり、換気効率の高さ、素材の健康度が実証されています。