快適と省エネの両立

建物の中で最も熱容量の大きな基礎、次いで壁、床、屋根、これらを熱伝導率の低い断熱材で包む外断熱工法は、「快適」と「省エネ」の両立を可能にしました。

外断熱と熱容量

熱容量=比熱×質量
(単位kcal / m3℃h)

暖房というと空気を暖めるのが一般的なイメージではないでしょうか?しかし、空気を暖めることほど簡単なことはなく、逆にこれほど効率の悪く無駄なこともありません。なぜなら空気の熱容量は極めて小さく、水のわずか1 / 3,500、コンクリートの1 / 1,500にすぎず、温まりやすいけれど、すぐに冷めてしまうからです。

では効率の良い(=省エネルギー)暖房とはどのようなものでしょうか?建物に使われる材料の中で熱容量の大きなものといえばコンクリートがあります。その熱容量は、空気の1,500倍。つまり20cm厚さの基礎コンクリートは、2階建(高さ6m)の空気の1 / 30の容積にもかかわらず、50倍の熱容量を持っていることになります。つまり1軒の家の空気より50倍の熱容量があり、それだけ冷めにくいということになります。外断熱工法では、こうした熱容量の大きな材料であるコンクリート、壁材、床材、天井材、屋根材などを熱伝導率の低い断熱材で被い、蓄熱体として活用できます。温熱的にこれほど効率の良い工法はありません。

基礎コンクリートによる蓄熱暖房

基礎コンクリートによる蓄熱暖房木造住宅の中で最も熱容量の大きな部材といえば、当然「基礎コンクリート」ということになります。厚めに施工されたコンクリートは、冬の1日を快適に過ごすのに十分なエネルギーを蓄熱してくれます。コンクリートを温水や電気で温め、蓄えたエネルギーをゆっくり室内に伝えることで、省エネの快適な冬を実現しました。具体的な使用例では、タイマーで、朝方3~4時間暖めただけで、1日中、家中、暖かくお過ごしいただけます。熱源の運転時間も短く、家中隅々まで快適な温度を保持できます。熱源が電気の場合、深夜電力の時間帯を使えば、さらに省エネでお使いいただけます。

エネルギー効率「外断熱」VS「内断熱」

エネルギー効率「外断熱」VS「内断熱」エネルギー効率の観点から「外断熱(外張り断熱)」「内断熱(壁体内充填断熱)」を比較したとき、外断熱工法の優位性は、論を待ちません。仮に、ひとつの建物に冷暖房設備など一定のエネルギーを加えたとします。熱容量の小さな空気は、少しのエネルギーですぐに温度変化し、快適温度になります。一方熱容量の大きな基礎、床、壁などは、すぐには温度変化することなく、ゆっくりと温まったり、冷やされたりします。コンクリートの熱容量は、空気の約1,500倍、土壁は、約750倍、木材(スギ)でも500倍もあり、その温度を変化させるには大きなエネルギーが必要となります。逆に一旦温まれば冷めにくく、冷やしてしまえば温まりにくい性質といえます。この性質を有効に利用するには、熱容量の大きな最良に蓄熱されたエネルギーを逃がすことなく取込み、長時間保持することが肝要といえます。

完全外断熱工法は、建物の大半を断熱材で覆うことで蓄熱エネルギーを最大限活用可能にしています。他方、壁体内にグラスウールを充填するような工法では、隙間のない充填が困難で、壁体そのものを断熱材で包むわけではなく、取り込むのは熱容量の小さな空気ということになります。従って、冷暖房を止めれば、冷めやすい、温まりやすい建物といえます。同じ高気密、高断熱と言ってもその省エネルギー性能には大きな違いがあります。

新商品

「エネシフト」は、究極の省エネ・エコ冷暖房設備です。ふんだんにふりそそぐ太陽からの熱エネルギーを地中に蓄熱、冬はそのまま暖房に、夏はヒートポンプで冷房にとりいれた自然エネルギーを熱容量の大きな地中で蓄え、四季を通じて活用できます。環境に負荷のない省エネ冷暖房の優れものです。